カウントセレクター誕生物語
昔の自動旋盤には、材料を自動で供給する機械が付いておらず、一本の材料の加工限度になって機械が停止すると作業者が新しい材料を入れるという人力での材料交換をしていました。その材料交換が、自動盤作業者の主な仕事でしたので、作業者の居なくなる夜間では自動旋盤は休止状態になっていたのです。(作業者のいる昼間の稼働時間は8時間、作業者のいない夜間の稼働時間は16時間)このままでは、生産性が上がらないことから無人でも自動旋盤が稼働できるように材料自動供給機『オートバー』を導入しました。
オートバーが導入されると、自動旋盤は無人で一晩中でも稼動し続けましたので、 単純に言うと、8時間稼働から24時間稼働と、生産性は一挙に3倍にもアップしたのです。ここで、問題が起きました。一晩中作った製品は、製品受けの中で全部がひとまとめとなり、夜中や朝方(am1:00頃や、am5:00頃)に不良製品が出来た時には、製品受けに入った製品の上の方だけを手ですくって不良製品を捨てて、残りは生かしていました。 これでは製品品質の安定は、望むべくも有りません。※30年以上前の話です。
そこで製品受けを自動で交換する装置を考え、無人の時でも製作されたイモネジの品質管理を行うために開発したのが、カウントセレクター(CS : Count Selector)です。カウントセレクターには8型と6型が有り、一缶に入るイモネジの数量設定は、缶からイモネジがあふれない限り、1,000個でも、10,000個でも、カウンターにて1個単位で自由に設定できます。製作中のイモネジを受けている缶に、一缶に設定した数量のイモネジが出来上がると、上から見て時計回りに1ステップだけ動いて、空き缶と交換します。8型には8缶、6型には6缶の空き缶がセットでき、最後の缶が設定した数量に達すると自動旋盤は自動で停止します。
カウントセレクターを使用することで生産性の向上だけでなく、寸法変化や工具の磨耗状況、万が一、途中で刃物の欠けなどによるイモネジの品質不良が発生しても、良品だけの缶と良品と不良品の混入している缶と缶別に切り分ける事が可能となったことにより、安定したイモネジの品質を時系列で管理できます。
カウントセレクター(CS)
自社製のカウントセレクター(通称CS)を全てのカム式自動旋盤に設備しております。このカウントセレクターは、完成品を受ける容器1缶の数量を設定することができます。そして設定数に達すると1ステップ回転し、次の缶に完成品を再カウントして入れていく装置です。自動旋盤は、夜の間は無人で加工を行っています。そこで、製品の品質管理を時系列で行うために独自に開発したのが、カウントセレクター(Count Selector : CS)なのです。
弊社の品質管理は、このカウントセレクターが基になっており、1缶ごとに時系列の管理を行っています。1缶ごと時系列で管理しているので、一般的なロット管理(4M変動)よりも細かく管理ができ、不具合が発生した時など、ピンポイントで発生原因を探ることができます。そして良品だけの缶と不良品が混入している缶とを、缶別に切り分けることが可能です。カウントセレクターによる時系列管理することで、より安定した品質が保て、お客様の満足度向上の一端を担っていると考えております。
時系列番号管理
弊社では、昔から時系列にて製品の品質を管理しており、自動旋盤で加工後の製品は自動的に『ザル』内に入り、2m~2.5mの材料1~6本位の製品を作ると、 製品の入っているザルを空のザルに作業者が差し替えてロット管理し、製品を作った順にザルで時系列管理をしていました。
出来た『ザル』の順序のまま、洗浄 → 検査 → 計数 → 袋詰め、を行っていました。
弊社では自動旋盤の1台毎に1番から30番までの番号札を用意していて、CSの1缶ごとに番号順に番号札を入れています。 30番札の後は1番札を入れますが、30缶作るには数日~数週間は掛かります。 この1缶の検査後の現品票には「自動旋盤番号」と「製造年月日」と「番号札番号」が記入されて、完全な時系列管理が出来ます。
カウントセレクターを使ってイモネジの品質管理を時系列で行うと、寸法変化や、工具の磨耗状況が管理し易くなります。
万が一、途中でバイト欠けなどによりイモネジの品質不良が発生しても、良品だけの缶と、良品と不良品の混入している缶とを 缶別に切り分ける事が可能となり、より安定したイモネジ品質が保てます。