小さいイモネジを作る機械

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当社の主な機械設備は、自社改造したマイコン制御のカム式自動旋盤です。 ダイスではなく、バイトでネジ切り加工が出来る様に改造したマイコン制御のカム式自動旋盤です。

「自社改造したP-8型マイコン制御のカム式自動旋盤」で、なぜ小さいイモネジの加工が出来るのでしょうか?

その理由は・・・

改造中のP8 当社創業者の斉田孝は昭和40(1965)年1月に独立する前は、自動旋盤メーカーの「野村精機製作所」(現在の『野村DS株式会社』)で工場長(機械設計と製造を兼務)をしていました。

昭和34(1959)年創業した野村精機製作所社長の野村孝之氏の下で、当時25歳の斉田孝が設計をした自動旋盤が「P-8」と言う機種でした。

この「P-8」は、「すりわり付きのネジ」を作るのに向いた機械構造に設計されています。 切り落とす時に、「ツマミ」と言うピックアップ装置で拾い上げて、同じ自動旋盤内で同時に「すりわり溝」を加工できる様になっているため、 小さなネジにも「すりわり溝」を確実に加工できるのです。 下の動画を見て頂けると、その様子が良く判ると思います。

自ら設計したのですから、斉田孝にとっての「P-8」は良い所も、悪い所も、構造を知り尽くした機械でした。 そんな「P-8」を当社創業以来、改造に改造を重ねた結果、昔のままの機構部分は全体の4割位しか残って居りません。

さらに主軸の制御や、カム軸の制御をコンピューター制御に自社改造したP-8型マイコン制御のカム式自動旋盤が、 バイトでのネジ切り加工を可能にした当社の主軸移動型・マイコン制御のカム式自動旋盤なのです。

バイトでのネジ切り加工を簡単に説明しますと、自動旋盤の主軸が1回転する内に主軸(材料)をネジのリード(注1)分だけ前進させて、 ネジ切りバイトでねじの谷部分を削り取ります。これを複数回繰り返し、ねじを形作ります。

その他、自社改造したP-8型カム式自動旋盤の周辺機器があります。全部のカム式自動旋盤とNC自動旋盤に、これも自社開発した「カウント・セレクター」という、設定数量による 「時系列での製品自動区分け装置」を取り付けました。
(長文ですが、「カウント・セレクターの誕生物語り」、はこちらです。よろしければどうぞ。)

また切粉(切削屑)を自動で機外に排出する自社開発した「デルチップ」を全部の自動旋盤に取り付け、一日24時間、一週7日間の稼動工場となっています。
(「デルチップの誕生物語り」、はこちらです。よろしければどうぞ。)

もちろん材料自動供給装置を全部のカム式自動旋盤に取り付け、この制御部も自社製です。トラブルが発生したら、これもどんどん改造して行きます。

 

小さいイモネジの作り方

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■ 材料は、長さが2mや2.5mの真っ直ぐな棒状の金属材料を使います。



■ 当社のネジは、『バイトでネジ切り切削』して作ります。



■ 材料を回転させて、バイトでネジの谷の部分を切削して(削り取って)作ります。



■ 材料の回転とバイトの進み具合をうまく合わせて、ネジのリード(螺旋)を作るのです。



バイト切削でネジを作ると、ネジの外径や有効径の寸法のバラツキを、0.02mm以下に抑えることも可能です。 つまり、精度の高いネジが製作できますから、JIS 1級(4h)規格を満足するネジの製作も、充分に可能なわけです。

また、バイトでネジを切るために、JIS規格に無いピッチのネジや、山の角度が90°のネジや、JIS規格に無い太さのネジを作ることが、いとも簡単に出来ます。

また、平小ねじや皿小ねじで、ねじ部の山数が2山位しかない様な短い平小ねじや皿小ねじを作るのは、大いに得意で、不完全ねじ部も0.5山以内に収めることが可能です。

逆に平小ねじや皿小ねじの、ねじ部の長さがねじ呼び径の2.5倍を越えますと、製作できません

ただし止めねじでは、全長が短いと「すりわり(溝)」を入れるのが難しいのですが。
逆に、山数が15山を越える様な長い止めねじ の製作は、可能ですが製作時間が長く掛かり、コスト的には不利です。 それでも、ダイスで作るよりは安価に、かつ高精度に出来ます。