一般的なカム式自動旋盤には、主軸移動型(ピーターマン・タイプ)と主軸固定型(チャックジカ・タイプ)とが有ります。
両者とも動きの制御は、刃物の動きも、主軸の移動も、チャック開閉も、全てが機械的なカムで行われます。
弊社の P-8型 マイコン制御のカム式自動旋盤 は主軸移動型で、 イモネジや小さい部品を製造するのに最適な自動旋盤です。 (写真をクリックすると、大きく表示します)
P-8型マイコン制御のカム式自動旋盤![]() |
手作り感の溢れる操作盤 |
1965(昭和40)年の創業から20年間(1985年まで)位は、弊社でのカム式自動旋盤の改造は主としてネジ切りスピンドルの高速化への改造でした。 ネジ切りスピンドルからネジ竿への回転伝達機構を、オリジナルの機構はネジ切りスピンドル後ろ側の太い二本棒でしたが、 前側の細い二本棒に変え、更にスピンドル内蔵のキー構造へと改造しました。
1980年頃、真鍮の細目イモネジ(M1.7×0.2 と M2×0.25)の、ねじ山上の潰れ問題が発生して困っていました。 その問題を解決する為に、銅分の高い真鍮材を使い、ダイスホルダーにカバーを付けて ダイスの後ろ側から切削油を噴射しましたが、100%の解決策にはなりませんでした。
1985年頃でしたか、ある若い従業員のひょんな一言の『バイトでネジを切ったらよ~』から、 ネジ切り加工を、ダイス加工からバイトによるチェーシング加工へ変える研究を始めました。
主軸移動型カム式自動旋盤でのバイトによるチェーシング加工では、主軸の1回転に合わせて主軸を1ピッチ分送ります。 改造の初期は機械的な改造で、主軸1回転でカム軸が1°動くようにタイミングプーリとタイミングベルトでカム軸を駆動しました。
ピッチ0.2mmのねじ山加工は、カム軸1°で主軸が0.2mm動くようなヘットカムにします。 但しカム軸1回転が360°ですから、この方法では主軸が360回転した時に製品を1個作らなければなりませんので、 複雑な製品は加工できませんでした。
この問題を解決する為に、二系統のカム軸駆動を考案しました。 それは、主軸からのタイミングで制御するのと、別系統のモーターで制御する機構を設ける事でした。
ネジ切りの時には主軸からのタイミングでカム軸を回し、それ以外は別系統のモーターでカム軸を回しと、 加工の途中で切り替える方法で実験しましたが、余り上手くは行きませんでした。
やはりNC自動旋盤のようにプログラムを変更するだけでピッチの変更をしたくなります。 その為に、1995年頃からカム式自動旋盤の主軸とカム軸をACサーボモータで駆動し、コンピューター制御する研究を始めました。
その後の変遷は省略しますが、野村精機で昭和35年頃に作られた P-8型カム式自動旋盤を、 自社で改造した P-8型 マイコン制御のカム式自動旋盤 が今の主力設備です。
イモネジを作っている動画です。
■NC自動旋盤が 6台。(写真をクリックすると、大きく表示されます)
メ ー カ ー 名 | 機 種 | 台 数 | 写 真 |
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ツガミ | B012(c)-Ⅲ | 1 |
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ツガミ | B0124-Ⅲ | 2 |
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スター | RNC-16 | 3 |
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